【リケオの部屋9】知っていると反応する脳指紋P300
『理系のおっさんの部屋9にようこそ』
『今日のテーマは「知っていると反応する脳指紋 P300」です』
『出たなー脳指紋』
『脳指紋は、過去に体験した情報が含まれていると、無意識に誘発される特殊脳波です』
『うそ発見機みたいな?』
『どちらかといえば本当発見機ですねー!知ってるものに出る脳波なので。特に非日常的な体験を思い出させる刺激で出ます』
『本当発見機って、ださいな』
『えーー』
『非日常的って犯罪とか?』
『そうです。2000年にアメリカで、23年服役していた人の冤罪証明にも使われました。犯人しか知らない写真や言葉を示しても、反応しなかったので無罪!』
『23年!?長っ!!』
『冤罪ってわかって良かったです』
『なんでP300なの?』
『Pは陽性(Positive)で、何かを見たり聞いたりする外部刺激を受けたあと、300~600ミリ秒後に電位が下ブレすることから名付けられました』
『0.3~0.6秒か。その時に何か別のことを考えれば…』
『見たふりをして目をそらしたり、心の中で数を数えたりしてP300が出ないように妨害する人もいると想定して対策も進んでます』
『チッ』
『どうして検出をパスする側なんですか、何かしたんですか?!』
『これは事件捜査に使われる脳波ってこと?』
『他には、身体が動かず話せない患者とのコミュニケーションへの応用も有望視されています』
『どういうこと?』
『例えば、食べたい果物を思い浮かべてもらった後、果物カードを見せると、思い浮かべた果物のカードでP300が出るんですねー』
『意思疎通に使えるのか。メロンのカードを早く!』
『言っちゃってるし』
『知っていると反応する脳指紋P300のまとめ』
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脳指紋は、潜在的に脳に残っている情報と実際に目の前に出された情報が一致すると、無意識に出てしまう特殊脳波
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P300とは、外部刺激を受けて300~600ミリ秒後に誘発されるものであることからつけられた
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事件捜査での活用、体も口も動かない神経難病患者とのコミュニケーションへの応用も有望視されている
『知っているものを見ると脳は反応してるんですねー』
『今日からは”P300”を見ると、P300の脳波パターンが現れてP300を知っていることがバレるのだー』
『・・・さて、根拠なくP300っぽい画像貼っておきますね』
『でた適当画像(笑)』
『別冊日経サイエンスNo207を参考にしました。また明日ー!!』